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エヴァQを見てきました

雑感

どんな感想を書いてもネタばれになりそうなので一応警告しておきます。これは、ネタばれであると。


・・・時が経ちましたね。

いやね、子どもを持つと映画を観るのも大変なんです。イオンモールに行って、まず先に嫁が映画を観て、嫁が映画見てる間ぼくが子どもの面倒みて、嫁が出てきたら入れ替わりに僕が映画観て、嫁が子どもみるってな具合で。ヲタ夫婦の実態を見よ。

そう思うと、旧劇なんか簡単に観に行けたわけです。夜中に眠れないから、じゃあもういっかいエヴァ観るかって、自転車で吉祥寺まで行って、バウスシアターでシト新生かなんか観てたはずなんですよ。身軽でした。若かった。

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はてな経由でエヴァの感想をぽちぽち観てると、もう2回、3回と繰り返して観て、謎解きを披露している方が何人もいて、そういう情熱を持って観られる映画に仕上がっては、いるんだな、と、確認できるわけです。ネットって便利ですよね。

ですがね、旧劇が大二病の発病のきっかけとなった、30代半ばの私のような世代から言わせてもらえば、もう、この映画の謎を解こうなどという気持ちは、到底起りえないんですよ。

ぼくらは、謎を謎のままそっとしておいて折り合いをつける方法に熟練しすぎてしまった。

エンターテイメント作品に生まれ変わったと言われた序や破だって、別に新たに謎に対する解答が示されたわけではないのに、むしろ謎は増えているはずなのに、なんだかすごく「わかった」気持ちになって観ている自分がいて、これはエヴァじゃないとか言えればいいんでしょうが、まあ、これはこれでいいんじゃないかな、というような生産性のかけらもない言葉を吐いたりしていたわけですけれど、いざ本当に、絶対に、「わかった」気持ちになれないようなわけのわからない、このQというものを新たに見せられても、与えられた世界の謎をすっかり解いてしまいたいというような意欲は湧いてこない。

Qのシンジくんは破から眠りについたんじゃなくて、TV版の23話くらいからリアルタイムで14年間眠り続けてたんだとかそういう説を唱えるような意欲は、Air/まごころを君にを観て、エヴァというのは火の七日間を描いた物語でナウシカはシンジとアスカの子孫だとか言うオレ妄想がすっかり公式っぽくなっちゃってる現代に至っては、湧いてこようにも湧いてこない。

こういう意欲のなさは、若い人には(という言葉はまだ35歳には早いと思っておりますが、あえてそう言わせてもらえば)衰えと見えるのでしょう。

でも、これはきっと衰えではないんですよ。世界は謎に満ちていても、そのすべてを解く必要もなければ、誰かにこういう謎があってこうしたら解けるんじゃないかとか説明してあげる必要はないということを知っているだけで。それはスキルと言ってもよい。14年なら14年という年月によって得たものであって、決して失ったわけではなくて、子どもをほっぽらかして、2回3回と連続で映画観るわけにはいかないという物理的な制約というのは確かにあるけど、それは意欲がないことと別にあるのかというとそうではなく密接に絡みあって・・・いや、説明するのめんどくさいわ。

Qの、エヴァパイロット以外の登場人物は、今回新たに登場した何人かを除いて、こういう、私と同じような、世界との距離の取り方を身につけてしまっていて、シンジくんに自分をまだ重ねられる人たちにはまったく意味不明でも、私にはすごく共感できるものでした。14年間もの眠りからいま目覚めて、「あれ?阪神大震災は、地下鉄サリンはどうなったの?あのとき酒鬼薔薇を理解してあげられなかったから福島第一原発がメルトダウンを起こしてしまっているの?」とか言いだすウラシマンな中学生がいたら、めんどくさいですよね。黙ってろとしか言いようがないですよね。

ということで、時間の流れをしみじみと感じられる良い作品でした。ある年齢より上の方には、自分の変化をしっかりと認識ができるようなつくり、それは序にも、破にもあったわけですけれど、よりエヴァンゲリオンらしい形で見せてくれたわけです。

ああ、全然ネタばれにもなんにもなってませんね。でも、皮肉ではなく、ちゃんと褒めてるのよ。まじで。