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新入社員のあなたが社畜になるかどうかわかる質問

とっくに新年度もはじまった今頃になって、新入社員の皆さんに向けて書いてみようと思います。

皆さん、入社おめでとうございます。皆さんが入った会社が、ごく一般的な営利企業であれば、必ず次の2つのことをしているはずです。

  1. 何かをできるだけ安く買う
  2. 何かをできるだけ高く売る

会社の目的が営利であるならば、その目的を果たすための手段は、上の2つしかないことは自明です。言うなれば、この2つだけが「ビジネス」であって、他はワークであれジョブであれ、何にしろ会社にとっては、できるだけ減らしたい仕事です。

これから皆さんは、いろいろな仕事を上司から言いつけられると思いますが、それがビジネスなのかどうか、ビジネスでないとすれば、ビジネスとどのように関係しているのかを意識してください。もし、あなたの言いつけられた仕事が、ビジネスと全く関係ないのであれば、あなたはその仕事を単にこなすだけでなく、減らすための努力をしなくては、高い評価にはつながらないのです。

そのためには、あなたの会社にとってのビジネスとは何かを把握しなければなりません。あなたの会社が、何をどうして安く買うことができて、何をどうして高く売ることができているのか、きちんと説明できるようにしておくこと。これが、あなたがこれから単なるサラリーマンになってしまうのか、それともビジネスマンになれるのか、その分岐点です。

さて、あなたの入った会社は、何を売り、何を買っているのでしょうか?




・・・と、ここまでの内容にもし感心してくれたなら申し訳ないですが、私がここで言いたいことは、こんなことじゃありません。こういう話がもっと読みたいなら、本屋に行ってビジネス新書を適当に買ってくるか、はてブホッテントリでも眺めていればいいと思います。

さて、今あなたは、自分の会社が、

  1. 何を安く買っているか
  2. 何を高く売っているか

を、思い浮かべたと思います。問題は、1番のほう、「何を安く買っているか」に、このワードがちゃんと入っているかどうか。

「労働力」

入っていなかったあなたは、社畜になる可能性が非常に高い。

この春、あなたは会社に労働力を提供し、その見返りに報酬を得るという契約を結びました。このような契約を経て、新入社員という存在になった以上、会社が買っているものの一つとして、あなた自身のものを含む「労働力」を忘れてはなりません。会社は、買ってきた材料、機械、ノウハウなどと、「労働力」を組み合わせることで、高く売れる何かを作り出します。

ここでおそらくあなたは思うでしょう。それならば、ビジネスマンたるもの、「労働力」をできるだけ安く買えるよう、努力しなければならないのではないか、と。

もちろん、会社のビジネスとしては、おっしゃる通りです。しかしながら、皆さんはビジネスマン(候補)であると同時に、自身が「労働力」を提供する労働者でもあります。労働者が、「労働力」をできるだけ安く買おうと考え、労働者と契約することは、自分が自分と契約することになってしまい、おかしなことになります*1。労働者と契約するのは経営者の仕事であって、あなたの仕事ではない。It's none of your business.

大事なのは、ビジネスマンとしての自分と、労働者としての自分を、しっかりと切り分けることです。労働者としての自分を忘れ、会社のビジネスに、自分の人格全てを重ね合わせてしまったら、どうなるでしょうか。いくらでも、ほぼ無償で労働力を差し出す自分という存在に、有能なビジネスマンが眼をつけないはずがありません。しかしながら、これは「社畜」と呼ばれる存在に他なりません。労働契約の内容には、たとえビジネスマンであっても労働者を兼ねているあなたは、絶対に手を触れてはいけません。反対に、ビジネスを忘れ、労働者オンリーとして利己的にふるまえば、会社のやっかい者、寄生虫として疎まれることは言うまでもありません。労働者としての自分をしっかりとカッコに入れて、その外側ではビジネスマンとして全力で仕事に励まなければ、この時代、あなたに未来はありません。

今、会社が買ってくるものとして「労働力」を数え上げ忘れてしまったあなたは、確実に社畜への道を歩き始めています。あなたのまわりには、自分の人件費を、ビジネスとして計算に入れることができない人がたくさんいます。ビジネスマンは、労働者としての自分を見失ってしまえば、簡単に社畜に転がり落ちます。今ならまだ間に合います。軌道を修正してください。

*1:たぶん、民法第108条で禁止されてる自己契約になると思うのですが、自信まったくなし。