昨日、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を見てきた。感想を書きたいところなんだけれど、どうあがいてもネタバレになりそうなので感想はまた今度にする。だけどやっぱりエヴァについて語りたい!と思ったところで、このエントリを見つけた。
あの娘、エヴァンゲリオンの頃にインターネットがあったらどんな顔するだろう。 - たまごまごごはん
自分はまさにそれなんですが、情報量の少なさが逆に「もっと!もっと!」と餓鬼のようにおなかを空かせる効果抜群だったのです。
そうそう。エヴァは情報の飢餓状態を生み、当時大学生だった私が情報を求めた先は、ありきたりだけど本だった。私にとって、読書が習慣として身についた決定的なきっかけは、エヴァだったのかもしれない。当時の空気に触れた人には「こんなの知ってて当然だろ!」リストだけれど、最近エヴァに出会った人には需要があるかもしれないと思い、そのころ、エヴァをきっかけとして読んだ本を並べてみた。

- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/08/03
- メディア: 文庫
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鈴原トウジと相田ケンスケ、そして洞木が出てくる。雑多な妄想の中に、ギラッと一文、本質を突く言葉を挟んでくるところが、村上龍の魅力だと思う。トウジとケンスケは、その後の作品にもたま出演している。ラブ&ポップ。

世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)
- 作者: ハーラン・エリスン,浅倉久志,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/01
- メディア: 文庫
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言うまでもなく、テレビ版最終話タイトルの元ネタ。原題がThe Beast that shouted Love at The Heart of The Worldであることは、破を見る上で覚えておくといいのかも。それにしても、すばらしい訳題だ。途中で止めようなんて、まともな言語センスであれば思いもつかないよね。ちなみに、中身はけっこうディープなSF。

- 作者: ネヴィル・シュート,佐藤龍雄
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/04/28
- メディア: 文庫
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こんな副題ついてたっけ?SFの名作だけど、誰だよ映画に「エンド・オブ・ザ・ワールド」なんてややこしい糞邦題つけたやつは。25話「終わる世界」ではなく、24話「最後のシ者」のほう。原題はOn The Beach

- 作者: キェルケゴール,斎藤信治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1957/01
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この手の本は、わかる必要なんかなくて、とにかく読んだという事実があればいいんですよ。第1編 死に至る病とは絶望のことである。絶望した!もちろん、16話「死に至る病、そして」の元ネタ。

- 作者: ダニエルキイス,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1989/04
- メディア: 単行本
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1968年初映画化の際の邦題が「まごころを君に」。こうして見てくると、邦題というのは単なる訳ではいけないのだなぁと思う。カタカナ邦題は、可能性をせばめてる。

- 作者: 阿刀田高
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/12/20
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- 作者: 阿刀田高
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/11
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ごめん、直接は関係ない。ただ、ほんものの聖書を読むのは、結構しんどいので。同じシリーズで、ギリシャ神話は面白いけど、コーランは非常に退屈なのでお勧めしない。

- 作者: フロイト,高橋義孝,下坂幸三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1977/02/01
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英語のサブタイトルも気になるんだよな。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/10
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「終わる世界」。関係ないかもしれないなぁ。でも、海辺のカフカとエヴァのシンクロ率は異常。エヴァと村上春樹には何らかの関係があるような気がしてる。Qって、そう簡単にかぶらないもんな。
十数年前、最初の映画公開当時、吉祥寺のブックス・ルーエでこういう企画をやっていました。なつかしい。ほかにも、もっとあると思うので、教えてください。こうして見ると、大学1年生あたりが読むにはちょうどいい「入門」リストが出来上がる。きっと、映画やクラシック音楽とかのリストも作れるはず。エヴァの謎を追いかけるつもりが、大学よりもきちんとした教養課程を踏ませてくれる。ただし、もともと追いかけていた謎からはどんどん遠ざかっていく気がしたけどw
一番本を読まなければいけない時期に、ちゃんと本を読ませてくれた。そういう意味で、エヴァは私にとっては恩人のようなものなのです。
==追記==
すみません、未読です。