エレベーターのマナーからは削除すべき2つの項目
サラリーマンとして生きてると、ビジネスマナーとかなんとかいわれる機会も多いわけで。いや、直接言われたりするわけじゃないけど、なんとなく気になる。
そこそこ高層のオフィス勤めであると、毎日利用するのがエレベーター。エレベーターの乗り方にもマナーがある、というわけだ。
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基本的に下っ端がめんどくさい役目を引き受けなきゃだめだよ、ってのは理解できる。しかし、これはマナーとして定式化しまうのは少々危険なのではないかと思うのが、「エレベーターの開くボタンを押す」と「開いたドアを押さえる」の2つだ。
特殊な例ではあるが、うちの会社は建設会社。当然、オフィスは自社で施工したもの。もちろんエレベータの施工を行うのは協力会社、いわゆる下請けの関係にある会社ではあるが、元請であるわが社に責任がないわけではもちろんない。そうした状況下で、マナーであるとされているこの2つの行動は、こんな風にも解釈できないだろうか。
エレベーターの開くボタンを押す
↓
うちの会社のエレベーターは、設定がまずいからボタンを押しておかないとダメ!
開いたドアを押さえる
↓
うちの会社のエレベーターは、いつ閉まって怪我をするかわかったもんじゃない!
・・・。
エレベーターってのは、目的の階に着いたらちゃんと自動で扉が開くようになってるし、通常の乗降にかかる時間を見計らって閉じるように設定されている。だから、イレギュラーな行動がなければ、特に操作はいらないものである、なんてことは言うまでもないと思う。マナーとされているこれら2つの行動が、目上の人の利便性と安全を確保している、というポーズなのだということは十分理解している。しかし、マナーというのは相手あってのことであって、相手の立場によっては同じ行動が失礼になる場合があるんじゃないかと思うのだ。
うちみたいに建設会社じゃなくても、こんな場合は失礼になるんじゃないだろうか。
- 自社ビル(エレベーターは会社の「財産」なのだから、財産にケチつけるのはまずいのでは?)
- ビルの管理部門の人、その関連部署の人(お前の管理が悪い!といわれているような・・・。)
- エレベータの製造・維持管理会社の人(うちの会社の製品だぞ!)
- そのグループ会社の人(まあ、グループなんだし)
- ...
こんなのに当てはまる会社や部門は、レアケースだと思う人もいるかもしれない。しかし、社団法人エレベーター協会の会員名簿を見るに、日立、東芝、三菱、パナソニックなどなど、巨大グループ企業が名を連ねている。「目上の人」の所属がはっきりしていればよいものの、取引先などでうっかり「地雷」を踏んでしまう可能性は、そう低いものではない。
シンドラーのようなこともあるから、エレベーターが絶対安全な乗り物であるといっているわけじゃない。しかしだからこそ、それをより安全にしよう、もしくは便利にしようとしている人がいる。彼らが、この「マナー」を見て喜ぶだろうか。
相手を見て行動を変えろといっているのではない。ただのポーズで、特定の人に失礼になる行動など「マナー」ではないのだ。エレベーターだからといって特別なことはせず、通常の部屋に案内するのと同じように振舞えばいい。