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建築論なんてニセ科学


めずらしく、建築に関する文章が、ブックマークされているみたいなので、読んでみる。


都市建築のステルス理論
http://pathfind.motion.ne.jp/stealth.htm



・・・。

なんだこりゃ。
これ、ホントは誰も読んでないだろ?


「あとでよむ」タグをつけた人、時間の無駄だから読むのよしなさい。「これはすごい」タグをつけた人、ホントにこれ読んでそう思ったなら、やばいよ。「水からの伝言」を信じちゃう人を笑えない。まちがいなく、この論文はトンデモの類に入る。

みなさんは、「ニセ科学」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

(略)

こういった「ニセ科学」のなかに、道徳や美意識に関わるものがあります。その話をしたいと思います。

よく知られている例の一つは、『レーダー(電磁波)が捉えやすい物体は圧迫感を与える』といういわゆる「ステルス建築」説です。しかし、この説に、科学的に信頼しうる根拠はないのです。その意味で、これもまた「ニセ科学」です。

ところが、この説は、建築関係者に広く受け入れられています。もちろん、隣に巨大なマンションやビルが建って困っているという方は多いでしょうし、建築家もそういう風潮を何とかしたいと思っているのでしょう。
そういうみなさんにとって、「ステルス建築」説が一見、福音に思えたことは分かりますが、科学的根拠のないものに飛びついても、仕方がありません。

そもそも、都市の過密を何とかしたいというのは、科学の問題ではなく、しつけの問題だったはずです。風通しや日照が不足して困ると考えるなら、やめるようにきちんと指導するべきでしょう。しつけの根拠を科学に求めようとしてはいけません。(略)

みたいなお説教をされちゃうよ。


そもそも、

  • 日本の都市、建築の問題点は、圧迫感にあるのか。
  • 反射の問題は、「入隅」のみに言えるのであって、「出隅」には言えないのでは?
  • 都市景観に圧迫感を与えているのは出隅であって、入隅ではないのでは?
  • 海外、あるいは歴史上の都市において、優れたデザインとされた都市、建築において、直角入隅など、筆者の主張するステルス製の低い部位が少ないというデータ的な裏付けが必要ではないのか。
  • もし、それができないというのなら、実験(例えば、被験者の前に2枚のパネルを置き、視線とその角度と、圧迫感(これは、被験者の自己申告によるしかないだろうが)との関係を調べるなど)を行えばよいのではないか。

などなど、論文としての欠点を挙げたらきりがないのだけれど、「水からの伝言」と違うのは、結論はごくごくまともだということ。わざわざ小難しい言葉を使っているけれど、要するに「目の前にのっぺりしたデカい壁があったら圧迫感を感じる。」という、至極当たり前のものであるのだから。

それを「ステルス」という、キャッチーな言葉で表現したのはうまいといえばうまい。が、それだけの内容しか持たない空疎な文章である。

この文章を、建築意匠の世界が、高く評価したというのは、非常に嘆かわしいのと同時に、「ああ、やっぱり」と感じさせられてしまう。都市、建築のデザインは、今や科学技術に追い越され、さらに大きく水をあけられてしまっており、その自由度を縛るものがもはや技術的な問題ではなく、経済的な問題のみに帰結しているのは、この論文のなかで自ら述べている通りである。それ故に、建築雑誌は、「苦し紛れ」に練られた空疎な建築論が延々とむなしく書きつづられる場となってしまっており、この論文もそのひとつであるのだ。

そのような言葉遊びも建築関係者の仲間内で楽しむ分には問題なかったのだが、このような形で一般の方々の目に触れるとなると、建築業界そのものに対する不信につながりかねない。外部の方からの指摘を受け炎上する前に、内部批判という形を取っておきたい。



っていうか、潜水艦とか言ってねぇで作品出せよ。