「インドのカレーは良いカレー」か


日本のカレーはうまい。

ジャガイモとニンジンがトロッと溶けている、二日目のカレーが大好きだ。なんであの「普通の」カレーを出す店ってあんまりないのかな。カレー屋さんのカレーには、具らしきものはなくて、「カレーソース」状態。肉はちょぴっと入ってるけど、野菜がごろんと入ってるのはあんまり見たことない。野菜カレーと銘打っていても、別にゆでてある野菜に「カレーソース」をかけるスタイル。やっぱり、お店だとカレーは一日中、火にかけっぱなしだから、野菜はすぐに煮崩れて形を失っちゃうんだろうか。一人暮らしが長かったので、野菜のごろごろしたカレーを食べるには実家に帰るという最終手段を除いては、レトルトで我慢するほかなかった。


土曜日に、仕事場の近所においしいカレー屋さんがあるということで食べに行った。一風変わった趣きで、ルーというよりスープの多いカレー炒めをライスにかけた感じ。キャベツの甘みがいろんなスパイスの味と絡んで、家庭のカレーとは違うおいしさを堪能した。どちらかというと、こちらの方がインドのカレーに近い。


日本ではカレーは煮込み料理だけど、インドではそうとも限らない。何にでもスパイスが入ってるので、カレーと一言で行ってしまえば全てカレーになってしまうというだけのこと。むしろ、煮込んでうまみの出る類のものがあまり入っていないので、煮込まない方がおいしいのかもしれない。


向こうではベジタリアンが多数派だ。と、いっても、健康のためとか主義主張によってではなく、アイデンティティとしてのベジタリアンだけど。ツーリスト向けの食堂には肉入りやタマゴ入りのカレーもあるけど、鶏なんかは鳩くらいの大きさしかなく、スジ張ってて食べるところがあんまりない。

無理して肉食べることもないか・・・。

と、旅の途中で思い、それからはずっとベジ(現地の人も、ベジ、ノンベジって略すみたい)で通した。駅のレストランなんかは、入り口からベジとノンベジに分かれてるんだけど、外国人がベジの方に入ったからといって、宗教的にタブーとか、そういうのはないみたいだし。第一、ベジの食事の方がうまいんだよな。


ベジ、ノンベジの別だけでなく、具材、味付けともにいろいろあるインド料理なので、「インドのカレー」といわれてどれを思い浮かべればいいのかとなると、困ってしまう。日本で言えば全て「カレー」の範疇にはいるものであって、むしろ、「カレーじゃないもの」を挙げる方が楽だから。


当時、あんまりインド料理屋なんかにいったことのなかった私にとっては、その味はなかなか取っ付きにくいものだった。それでもようやく、もう慣れた、と思った頃、ある所でジャガイモの入ったカレーが出て、思わずおかわりしてしまった。日本の味を思いだしてしまったみたい。好き嫌いというより、体が反応する感じ。

どちらがうまいか?

それは、日本人の俺が答えちゃ、フェアじゃない。


ところで、ベジ料理ばっかり食べててわかったのが、お坊さんがケモノの肉を絶つってのは意味があるんだなぁ、ということ。怒りとか、性欲とか沸かなくなる。一度、お試しあれ。