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家づくりと料理の関係

建築

http://d.hatena.ne.jp/hana-ichi/20061015

女がマイホームにのぼせ上がってしまうと始末に負えないらしい。まあ、わかる話。


我が家でも、転勤にともなってようやく昨日、引っ越しを終えたという状況なので、わりとホットな話題だ。うちの場合、賃貸なのでマイホーム、というほど重大な話ではないのだが。


住宅というものがもつ要素は数多くあるわけだけれど、そのなかでもとりわけ重要視されるのが、台所じゃないかと思う。nLDKという考え方が古い古いといわれながらも、未だに住宅の類型として最もポピュラーなものであるわけだけれど、この表記こそ、K、つまり台所ありき、という考え方を表している。


まず何よりの前提条件に台所があって、そのまわりに室を足していく。どこまで足していけるかは、家族構成であったり、空間・土地の条件だったり、お金の問題だったり・・・・・・うん、お金の問題なんだな、つまるところ。「豊かさの指標」みたいな感じでn個部屋があって、LとかDとかって話になっていく。




住宅の設計ってのは、別に「どこ」からはじめてもいい、はず。でも、「何」からはじまるかというと、施主、つまり家を建てたいお客様との対話からはじまる。


この対話から何を抽出して設計に活かすか、ってのは設計者のセンスによるわけだ。で、センスのない設計者、いや設計者と呼べるシロモノならばともかく、日本の場合、この対話の相手は建築のシロウトであるハウスメーカーの営業であったりするわけで、結局そんなやつは、この対話の内容を、「言葉通り」に受け止めようとしちゃう。


でもさ。nLDKでいったら、nとかLとかDとかについて、具体的なボキャブラリを持ち合わせてる施主なんて、いるわけない。せいぜい6畳間ならこんなもん、8畳間ならこんなもん、程度の話にしかなるはずがない。しかも、思い浮かべてるその広さだって、あてになるもんじゃない。


一方で、台所を語る言葉はいっぱいあるでしょ?システムキッチンがどうだとか、冷蔵庫の置き場所はどうだとか、カウンターとか作業台が欲しいだのなんだのと。


で、結局のところ、台所の主たる奥さまが、延々としゃべり続けることになるんだよ。退屈した旦那がタバコ吸いに行ってる間に、話はガーデニングがどーたらとかいう方へ行っちゃって、あっという間に時間は過ぎて、「じゃ、こんな感じで。」っていって終わる。


どんな感じかは、聞かなくてもわかるっしょ?


これは、聞き手側の問題だ。「どんな家にしたいですか。」なんて聞いたってしょうがないんだよ。どんな家にするかは、設計者が決めればいい。それが設計者の職能というものだから。


職能として、それが求められていないハウスメーカーの営業に、延々と台所の話をしたって、いい家は建たない。



どんな家がいい家か、知ったらシロウトじゃないんだよ。


長くなったのでつづく。