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公益優先と民意優先

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)


 塩野七生 「ローマ人の物語 ローマは一日にしてならず」 読了。


 下巻P.90より

 第一は、「民意優先派」としてもよい考えをもつ人々である。(中略)
 第二は、「公益優先派」としてもよいかと思う。公益こそ何にもまして優先されるべきと考える人々で、民意の反映は必ずしも公益の向上をもたらすとはかぎらない、と考える人々でもあった。第一の派に属する人々は性善説に立ち、第二の派は性悪説に立つ、と言う人もいる。


 アメリカで言えば、第一の派は民主党に、第二の派は共和党に引き継がれる、という話。ひどく納得した。これって、当たり前にみんな知ってることなんかね!?俺だけ知らなかったとしたら結構恥ずかしいぜ。


 確かに、「民意の反映は必ずしも公益の向上をもたらすとはかぎらない」なんて言ったら、選挙で勝てないから、ブッシュさんにしても、小泉さんにしても、安倍さんにしても、はっきりと口にするわけにはいかないんだろうね。


 でも、よく考えると、民意優先ってのは難しいものがあるよね。民意、ってのは、わかってるようでわかってないわけで。選挙には民意が反映されるというなら、民意優先派が選挙で負けちゃうってことは、民意優先派が民意をとらえられていなかった、ということになるねぇ。


 小泉さんなんかは、公益優先でものを語っているような気がするんだけど、これまで高い支持率を維持してきて、選挙にも圧勝してきたことを考えると、民意を反映してるんだよな・・・。


 あー、そうか。だから「優先」か。公益優先ってのは、「こうしたら、公益にかなうんだ!」っていうのを示したら、そのあとに民意がついてくるだろう、ってことか。


 で、誰がそれを示すのか、っていったら、「頭のいい人」なんだな・・・。難しいのは、誰が頭がいいのか、ってとこだ。「やっぱ俺じゃね?」って、みんな思うだろうしなぁ。


 公益優先を唱える人は、思い切った策を出せる可能性がある一方で、独善的になりやすいので注意。民意優先を唱える人は、独走しないだろうけど、いわゆる衆愚政治に陥りやすい。


 典型的な公益優先派であった小泉さんだけど、次の安倍さんも間違いなくそうなんだろうね。彼が公益にかなうということが、本当にそうなのか、厳しい目でみなきゃいけない、ってことか。